6時間歩いた。途中エステ-リャには郵便局があったので寄る。何処にもあるわけではなく大きめの街だけで 時間もほとんど昼休みまで?
イラッシュのフエンテ・デ・ヴィノ(ワインの泉)というところではワインが蛇口から出てきて巡礼者は自由に(?)飲ませてもらえる。ドイツのウルムからずっと歩いてきたという二人の若者が既に出来上がっていた。こないだの韓国の女の子も一緒にいて少し酔っていた。誘われたがあいにく元アル中の私は禁酒をして17年もたつ。

「ワインの泉の蛇口、飲み放題です」
ヴィラ・マヨール・デ・モンジャルダンは古いお城のような建物を改造した巡礼宿だった。オランダの教会のボランティアが運営している。外からの見栄えはよいし景色も最高、しかし中は窮屈。洗面所には必要なものがひとつづつしかなくて、40人からの男女が一緒では何もする気にはなれぬ。シャワーや洗面は一日ぐらいしなくったってかまわないが、絶対的にせねばならぬことはあるのだ。じっと行列を耐え忍ぶ。食事はアジア風カレーでOK。ヴォランティアの方々の善意が鼻についてしまうという私はいやな奴なんだろうか。
イレーヌがレインウエアのズボンの一部をはさみで切っている。風通しを良くしたいとか。厚地なのではいていると汗びっしょりになってしまうらしい。こんな切り方では使い物にならないだろうと思ってみていた。なんだかんだの荷物でトータル14kgとは!私の倍だ。水だっていっぺんに2リッターも買うことはないだろうと思うがそんな風に持っていたい人なんだ。自分は貧乏だから運が悪いからというが・・・
翌朝扉の開け方が誰もわからなくて皆で閉じ込められて玄関の間で待っていた時、私は管理主義に対していやみを言いすぎてしまった。私のおしゃべりの相手をしてくれた人が後姿を見せて歩き出した時、彼とはもう二度と会えないのだと気がついたとたん、いやみを言っていた自分をひどく恥じた。