月 光(後日談)

 

SP盤マークハンブルグの月光の想い出です。

 

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蓄音機の名器クレデンザで 月光奏鳴曲−嬰ハ短調−其の壱 を聴く。(ソーン針=サボテン針=使用)

ムーンライトソナタ = ベートーベン作曲 作品27の2 1801年 マークハンブルグ演奏 1930年代 =

(著作権について:通常の著作権は著作者の没後50年・レコード著作権は原盤の作成から50年)

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 ある日曜日、わたしが2階で掃除機をかけていると、

HP作成のため、物置に大事な資料?(一見古雑誌)やら、貴重な真空管?

(一見がらくた)やらを探し行っていた夫が、

「たぬちぃ!すごい物が見つかったよ!」と階段を駆け上って来ました。

「何があったのぉ?」

「月光の1枚目!」

「えぇ!!」

「お義父さんの月光の1枚目だよ!

盤はお義父さんのより新しいんだけれど、同じ原盤から起こした物だよ」

「何処に、あったの?」

「昔、蓄音機の試しがけ様に貰った半端物の中を見たらあったんだよ!

ボクも驚いちゃった!

2枚組の1枚目。これは2枚目がなくて、半端物扱いになってたんだよ

ピアノ曲で半端物だったから、結局1度も聴かないで、

縛って物置に入れといたんだけど…。

その中にあるなんてなぁ!ああぁ驚いた!」

「聴きたい!聴きたい!」

「溝の掃除してかけるからちょっと待ってて」

夫はそういうと、その月光を水拭きし、乾拭きして、エボタ鑞を塗り、

毛の長いクリーナで溝の掃除を始めました。

「溝がきれいになると、鑞を塗っても白くならないけれど、まだ白いから、

もうちょっと…」

と言いながら、夫はレコードの手入れをし、待つこと十数分。

「じゃぁ、かけるよ。」

サウンドボックスが、SP盤の上に降ろされました。

 

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月光奏鳴曲−嬰ハ短調−其の壱

 

 明るい日曜日の昼下がりに聴くには静かな「月光」でした。

ピアノの音色に揺れるレースのカーテンがあちらの不思議な世界から、

こちらへ不思議な出来事を運んできたような午後でした。

 

(蓄音機がなくて聞けない月光の2枚目SP盤を、若い頃の思い出を捨てきれずに転勤の度に持ち歩るいていた父。あまり聴かないピアノ曲の、しかも半端物のSP盤を、何故か捨てられずいた夫。全く異なった運命のレコード盤2枚。しかも、半端物で捨てられてもおかしくないSP盤の片割れ同士の出会いと言う不思議な不思議な午後の出来事でした。)

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平成9年5月吉日  ペ−ジ制作:たぬ