98/4月の真空管

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ノイズダイオード

  雑音はラジオの敵ですが、その雑音そのものの量を測ろうとするときには、正しい?雑音源が必要となります。その様な雑音源としてはランダムで広帯域が要求され、そのため開発されたのがノイズダイオードといわれるものです。雑音発生の原理としては、二極管の温度制限領域で発生するショットノイズを用いるもので、構造は純タングステンフィラメントを持つ直熱二極管がほとんどです1)

 実際の開発は戦時中の通信やレーダーのジャミング用として作られたのが最初のようです。詳細は調査中ですが、Telefunken製のLG8LG9および英国軍用のCV105CV172が規格表にあります。文献に現れたのは、RCAが早く、1944年に試作したR−6212およびその改良型のR−6212Aを1947年に発表しています2)。その構造は図1に示すように同軸型で非常に高性能でしたが量産・市販はされなかったようです。しかし1949年、Bendix社がライセンス生産し、TT−1という型名でテレビ受像機の調整信号発生装置用として市販しました(図2)3)

 市販され最も有名なのはSylvania5722です。外形は7ピンMT管で、周波数400〜500MHz以下の雑音を発生します。多少高価ですが現在でも入手は可能です。Sylvaniaはより大きなものを設計試作しましたが市販はしませんでした4)。しかし他社に比べノイズダイオードには積極的でロクタルのX6030,7ピンMT管の5845,SMTの6352を開発、市販しています。そ

日本独自のノイズダイオードとして、電子工業会の会報の『電子』の1960年代の用途別推奨真空管表をみると余り見慣れない“3M−U1”という真空管が登録されています。フィラメントが3Vの7ピンMT管で、Uは雑音発生用を示していますが、実は3M−U1はNECのLD−326の別名で、こちらのほうが広く?知られています。NECではもう一種、LD−342という少し大きな容量の物も作っています。どちらも7ピンのMT管で、LD−326の構造は直径 5mm程度の円筒プレートを横方向に配置した単純なもので、5722よりX60301236Cに近い構造です。LD−342は一般的な円筒プレートの同軸構造では無く縦方向に配置したプレートの一部を欠いて上部フィラメント配線端子にしているため、使用可能周波数はやや低くなっていますが、MT管タイプでは最も容量が大きいものの一つです。

 その他、ND−7という品種が規格表にありますが、私は現物を見たことがないので良く分かりません。この手の特殊管は案外JRCがおもしろい物を作っていることが多いのですが…ご存じの方はお教えください。

写真は逐次アップ予定。

 参考文献

1)W.B.Davenporand W.L.Root,“An Introduction to the Theory of RANDOM SIGNALS AND NOISE"(McGRAW-HILL BOOK Co.,1958).

2)H.Johnson,“A COAXAL-LINE DIODE NOISE SORCE FOR U-H-F",RCA REVIEW,10,169〜185,1948.

3)Proc.IRE,pp60A,(Jan,1949).

4)R.W.Slinkman,“Temperature-Limited Noise Diode Design",Sylvania Technologist ,pp6〜8,(Oct)1949.    

 

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平成11年4月13日  ペ−ジ制作:が−