トップ > ザ☆出産 > イクコ(2005/6/29)

 出産予定日を10日後に控えた夜。

 いつもはしおりと9時には寝てしまう生活なのに、珍しく12時頃まで夜更かし。午前3時頃、足の付け根の痛みで目が覚める。変な寝方をしたのかな?と思いつつ、また眠りにつきづらいくらい痛いので、とりあえず「トコちゃんベルト」をつけてみる。

 目が冴えてしまい、もしかして、これって前駆陣痛?もしかして、もしかしたら本当の陣痛ってこともありえるかも、と思い、入院準備を万全にしておこう、と母子手帳などをせっせと詰める。




 3時半頃、ずーっと痛かった痛みに周期が出てくる。きっと前駆陣痛だろう、と思いつつ、時間を計る。7分から5分おき。でも、痛みは股関節のみ。前の陣痛では腰から来たので、ちょっと違うかなぁと思いつつ、でも、少しずつ痛みが強くなってくる。

 動いていると痛みの間隔が短くなるので、準備もほぼ終えたところで休もうと寝室に戻る。座って痛みを逃しているところに、オットが起きる。

「もしかしたら、陣痛かも」
「・・・えっ!」
「もし本当に陣痛だったらその時起こすから、もう少し寝てていいよ。」





 その直後から、痛みが腰の方までやってくる。何回か痛みをやり過ごしてから、「やっぱり助産院に電話してみようと思うんだけど」とオットを起こしたのが4時半頃。まだ、「前駆陣痛かも・・・」と半信半疑で電話すると詩子先生が出て、「いらっしゃい、お待ちしてます」というので、準備をして(念のため、破水に備えて汐里の紙オムツをあてて)、汐里を起こし、車で出発。

 車に乗って、一瞬「イキミたくなるって、こんな感じかも」と思いつつ、まだ痛みはそれほどでもない。すんなり起きて、一緒に来てくれたしおりに、「これから赤ちゃん産まれるからね。がんばれって応援してね」と言いつつ、5時20分頃助産院到着。




 すでにスタンバっていた詩子先生と夏村さんと畑中さんに迎えられ、部屋に通される。

 「痛みはどう?」(前駆陣痛、と帰されるかも、と思いつつ)「車の中では5分おきでした」というと、「これは、産まれるわよ」とあっさり言われ、早速ガウンに着替える。分娩監視装置をはめてもらう。陣痛がやってくるたびに、どんどん強くなっていく。




 数回陣痛が来たところで、体勢チェンジ。「どんな体勢がいいかな?」ときかれ、前回のお産のように、オットを背もたれにして、座った状態にしてみる。

 内診したら、詩子先生曰く「そろそろイキんでもいいわよ〜」 えー、まだこんな痛みだし、まだイキミたい感じじゃないんですけど・・・と思った瞬間、次の陣痛が来て、イキミたくなって来る。赤ちゃんの頭を感じて、それを押し出すようにいきむ。「う〜〜ん」がどんどん力強くなってくる。夏村さんが足の裏を自分の腿につけてくれて、「足を踏ん張った方が力が入るようなら、ここを思いっきり蹴っていいですからね〜」と言われる。「いや、大丈夫です」と言った次の瞬間には、思いっきり蹴飛ばしてしまった。

 夏村さんが出口の方を押さえててくれて、そこに向かって赤ちゃんが進みたがっているのを感じて、そこに向かって押し出す。赤ちゃんと一緒に共同作業してるなぁと実感しながらイキむ。赤ちゃんがどんどん下に進んでくるのがわかる。




 部屋に来てから、しおりの事が何より気にかかり、陣痛の合い間に一緒に手をつないだり、安心してほしい一心で笑いかけて、話しかけていた。のが、だんだんその余裕もなくなる。




 「ハイ、じゃ体勢変えましょう」と詩子先生に言われて、四つんばいになろうとするけど、もう足にもどこにも力が入らず、「無理です〜〜〜」と泣き言。3人がかりくらいで起こしてもらって、オットに抱きつく形で四つんばいになる。

 オットのポロシャツの首元を思いっきりつかんで叫ぶ。叫びながら、「もう少しでポロシャツ破れるかも・・・」なんて、冷静に考えたりして。と、あ、頭が出て来た感じ。「頭出て来た?」と思わずオットにきく。それから、どうすればいいんだっけ、いきむんだっけ、力抜くんだっけ?と迷って

「どうすればいいんですか〜?」

と聞く、間抜けな妊婦。







 6時4分。

 ほどなく、自然にいきんだら、するりと出てきました。
しおりの時に比べて、なんとあっけなく、あっという間な出産。とはいえ、体中の力が抜けて、また支えてもらいながら仰向けになって、胸に抱えて初めての対面をした。

「しおり、赤ちゃんだよ」

と、はじめてしおりを振り返ったら、壁際で固まっていた。
「さわってあげて」と言っても、首を振るばかり。どうやら、しおりのもつ「赤ちゃん」のイメージと、目の前の真っ白な胎脂に包まれて青紫色でぐったりしている赤ちゃんとのギャップにびっくりし、おびえているようす。確かに、産まれたての赤ちゃんはかなりグロテスクかも。




 
 6時15分。

 母の胸の上で仰向けになり、へその緒カット。

「しおりちゃん、やる?」と詩子先生。

 その時には、ようやくベットにいるとうちゃんの膝の上まで来ていたしおり、やっぱり首を振って拒否。父ちゃんが黄色いハサミで白いへその緒を切った。「これでひとり立ちね」と声を掛けられる。その5分後くらい、胎盤が出てきた。これで本当に無事の出産といえる。助産婦さんともども私も一安心。




 「赤ちゃん、泣くのがかわいいね」

 泣き声がかわいい、と言いたいのだと思う。
しおりが初めて赤ちゃんに対してかけた言葉。やっと赤ちゃんに心を開いてくれたんだ〜と、とてもうれしい気持ちで、その言葉をきいた。




 


 赤ちゃんはきれいに胎脂をふいてもらい、体重を量ってもらい、きれいな服をきせてもらった。ようやくしおりも赤ちゃんにさわることが出来た。その直後、しおりはぎこちない笑顔でニッコリしていた。

 家族で写真を撮ってもらう。




 もっと痛いのを覚悟していたのに、陣痛も出てくるときも、そんなに痛くなかった。一度も自分を失うことなく、かなり冷静だった。あいかわらず、絶叫してたけど。

 詩子先生が「しおりちゃんが道を作ってくれたのよ」という意味がよくわかった。陣痛がつらくなかったのは、マタニティヨガで習った呼吸法でリラックスする事に集中したのと、しおりの様子が気になって、痛みから気がそれたおかげだと思う。

 産んだ直後に「これなら、このままあと一人か二人産んでもいい」と思ったけど、あとから考えたら、つわりの苦しさはちょっと・・・。




 

 

 

 

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