妻の記録から

タナバタ (H14.7.7)

1:45

 陣痛とお腹の張りで目覚める。

 お腹の張りは周期が分かりづらい。


3:36

 下腹部に強い収縮

 下痢のような痛み


3:46

 2回目


3:54

 3回目

 この後およそ5分間隔で痛みがやってくる。

 歩いていないと耐え難い。


5:21

 お腹の張りよりも、腰・股関節の強い痛みを周期的に感じるので、陣痛かどうか分かりづらい。


 陣痛の合間に睡眠


7:45

 朝食。痛さのあまりスジ煮丼を残す。


8:30

 にーやんが三陰交至陰にお灸をすえてくれた。


8:45

 にーやんの運転で山本助産院へ。 私は仕事場へ。当然気もそぞろ。


9:00

 子宮口の大きさ4cm

 「先が長そうだから一時帰宅してもいいし、このまま入院してもいいよ」

 入院することに。

 結果的にこの選択は正しかった。


 ガウンに着替える。

 これからリングに上がって真剣勝負に臨むボクサーといった趣きか。


 お腹の張りを調べる「分娩監視装置」で診ると、 陣痛は3、4分おきにきているとのこと。

 しかし張る時間(強さ)が足りないので、分娩までにはまだ時間がかかりそう。

 夕方、日の落ちるころとか。


 お産のイメジェリー/心の出産準備を読みながらうろうろ歩く。

・花が開くことをイメージ→子宮口を開くため

・滝をイメージ→胎児がスムーズに出られるように

・波をイメージ→リラックスする、お産の周期に乗るため

 以上を参考にしつつ、部屋備え付けのCD「誕生」を聞きながらスタンバイ。


10:30

 胃の中の物をすべて嘔吐。

 にーやんによる足つぼマッサージ(陣痛を分散させるため)の後だった。 すっきりした。

 吐き産はお産の進行が早いらしい。

 吐くのは子宮の収縮が強い証拠なのだ。


11:00

 内診

 子宮口6cm

 破水。

 陣痛が次第に強烈になる。


12:05

 このころにはイメジェリーなどどこへやら、余裕がなくなってくる。

※     ※     ※

 私が仕事場から駆けつける。このあとまた13:30から15:30まで仕事があるのだが…。

※     ※     ※

 朝、家で見たのとは比較にならないくらい激しそうな痛み。

 子宮収縮の度に、腰や尻を渾身の力を込めて押す。これで痛みが和らぐのなら。

 力いっぱい。

 それでも足りない感じ。

 10分もすると汗だく、肩が張ってきた。


12:15

 内診

 子宮口9cm、リミットが近づく。

 もしかしたら15:30までに間に合わないかもしれない。何とかこの昼休みの間に生まれてくれれば…。

 そんな祈りに応じるように、急速に痛みが強まっていく。

 「このまま生まれるかも」

 排便に近い感覚。

※     ※     ※

 ぎゃー

 腹の底から出てくるような叫び声と、 私の手を握る力の強烈さに驚く。

 知らず知らずのうちに私の目からは大量の涙があふれ出る。 この感情はいったいなんだろう。妻と一体になっている?


 頭が見えた。がんばれ。

 しかし手を握ることで精一杯で、 言葉にはならない。

 ぎゃー

 いきんでごらん、ナガサワさん

 そら出てきた




12:50

 元気な泣き声とともに胎児が出てきた。

 そのまま妻の胸元へ。

 なんだかめまぐるしくてピンとこない。 でも、ほっとした一瞬(妻)。

※     ※     ※

 あまりサルっぽくないのは予定より1週間遅れたせいか。

※     ※     ※

 この、神秘的で感動的な母子の超巨大イベントに 偶然にも(?)立ち会うことができて、至上の喜びを感じた。

 それにしても仕事に間に合わせるように生まれてくるなんて、 親孝行な赤子だこと。ありがとう。

 にーやんがお灸をしてくれたおかげで 陣痛が早まったんだ。腰も押してくれた。にーやんにもありがとう。


 病院みたいな、付き添いなしの独り出産だったら 到底耐えられかったと思う(妻)

 安産だったと思う。無事に生んでくれたことに 心から感謝。本当におつかれさまでした。


こわごわと臍帯分断 

 「じゃ、お父さんヘソの緒を」
 渡されたのは、文房具屋で売っているような 極フツーのハサミ。

 約15mm幅の臍帯が、「じょり」という音と共に 分断される。私の手によって、ひとりが、ふたりに。 ちょっと血が出た。

 体重2882g、身長49cm。

※     ※     ※

 胎児が出てからしばらくして、 痛みを伴いながらアレが出てきた。胎盤だ。 紫色の大脳という感じで、ちょっとグロテスク。

 「触ってみる?」

 つるつるできれい。弾力あり。
 これを食べる人がいるというのだから驚きだ。 他の動物は当たり前のように食うけど。

※     ※     ※

 早々と初乳が出た。 黄色い汁の出る乳首に 一生懸命吸いつく赤ん坊。 吸い方は力強い。


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