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秋の庭 11月の1

秋も深まった日、空には白い雲がゆっくりと流れていました。

どこからかモズの声が聞こえてきます。

甲高い声がすぐ近くで聞こえても、この庭には来る気がないようです。

澄んだ空気の中で、ブナの葉が日の光を浴びて金色に輝いています。

風が吹くと葉が乾いた音を立て話しかけてくるようです。

「日の光は気持ちがいいよお。」モズは隣の庭で鳴いています。

木の下では、今年最後のツワブキの花が開きました。

ふだんは脇役のツワブキも、この時は主役です。

どうですかスポットライトを浴びて、堂々とした主役を務めていると思いませんか。

ほら耳を澄まして!!。

パッチン、パッチンと実の弾ける音が聞こえませんか。

小さな日だまりでは、ゲンノショウコの実が今年も、かわいい姿を見せてくれました。

小さなバレリーナは日だまりの中で、晩秋の風に乗って楽しげに踊っています。

・・・

11月になると夕暮れが急に早くなり、冬の近さを感じさせます。

チゴユリやミズヒキもいつの間にか枯れて、

寂しくなった庭で丸く真っ黒なヤブランの実が鈍い光をはねかえしています。

静かに降り出した冷たい雨にぬれて一層黒さを増したように見えます。

地面の中でじっと寒さに耐え冬を越す草。

入れかわるように芽を出し葉を広げ生き生きしてくる草。

リュウキンカ、ミヤコワスレ、サギゴケ、そして年が明ければニリンソウやフクジュソウ。

みんなそんな仲間です。

木の葉がひろがり日陰になる前に花を咲かせようとしています。

・・・

朝の庭をメジロやヒヨドリがいそがしく飛びまわってツバキの蜜を吸っています。

メジロはこの庭に来る一番小さな鳥、

ほとんど逆さにツバキの花びらにとまるようなげいとうも平気。

体が大きく力のあるヒヨドリは、

花びらや雄しべをむしりっとって食べてしまう乱暴も。

・・・

ツバキは、「西王母」「秋一番」を追いかけるように、

透けるような白さの「白侘助」と

真っ赤で碁石くらいの大きさしかない小さな「一子侘助(イチコワビスケ)」が

咲き出しました。

白侘助

一子侘助