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奇跡を体験
13.車椅子でリハビリ室へ
3月23日、手術後未だ一ヶ月半であるが、経過が順調との事で、尿パイプを外し、始めて車椅子へ
移して貰う。
もう、点滴のパイプも尿パイプも繋がずに、部屋の外へも車椅子を漕いで行けることとなり、
実に気分が良い。
この感激は恐らくこれからの生涯の中でも最も大きな感激の瞬間として、何時までも思い
おこす事になるだろう。
やはり、寝っぱなしの2ヶ月は本当に辛かったし、何よりも寝たきりの状態から果たして
自分で思うように動けるようになれるのかどうかが自信が持てなかったのが辛かった。
お医者さん、看護婦さんや周りの人から心配な事を言われてきて、半ば諦めながらも、
心密かに期待していた事が本当に実現できたのである。
正直、私はすっかり自信を取り戻すことが出来た。
これから毎日、リハビリ室でトレーニングを受けることとなり期待で胸がわくわくする。
車椅子を手で漕ぐのは、肩の力、動きを利用すると、思ったより難しく無かった。
ただ、座っているだけで直ぐにくたびれて、1時間ほどでベッドに戻る。
昼食後、いよいよ、始めてリハビリ室へ行く。
10数人の患者さんが、マットの上や、平行棒でリハビリの指導を受けていた。
歩行器や杖を使って歩いている人もいる。
早くあの様になりたいが、大半の人は、外科と整形外科の患者さんで、麻痺の障害を持つ患者
さんは少なく、皆さん、どんどんと回復して行くとの事で、あまり他人を意識すると落胆して
しまう事になりそうである。
最初に、いきなり、チルドという傾斜板に足首を結ばれて、70度で立たされた。
10分間が実に長く感じたが、貧血も起こさず、足も耐えることが出来、六十歳前の体力を有り難く
感じる。
もう10年後だったら、これからのリハビリはもっと辛いものになるのだろうが、今はこれからの
毎日のリハビリが待ち遠しくて、回復への期待で胸一杯である。
今日からは、食事も始めて自分でスプーンを持って口に運んだ。
ペースは遅くても、マイペースで食事が出来るので、久々に美味しく戴けた。
今日一日で、私の世界は大きく変わってきた。
昔のように、普通の人と同じ生活が出来るようになれるのが夢では無く、本当に実現出来る
ような気が・・・。
明日の私には、何が出来るようになるのだろうか・・・?
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