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奇跡を体験
12.ベッドアップ!!
3月11日、手術後1ヶ月のレントゲンでの患部の診断では、付加した腰骨の頚骨への癒着は少し
位置がずれてはいるが、順調に固定されつつあるとの事で、今日から上半身を45度起こすことが
許され、電動ベッドを操作し上半身を起こす事が出来るようになった。
約1週間掛けて徐々に90度まで起こせるようになるとの事である。
今まで、仰向け、右向き、左向き、何れの時もほぼ2m四方が見えるだけの視界が急に大きく
広がってきた。
お医者さんや看護婦さん達の顔も今までと違って見えてきた。
今までは人から顔を覗かれるだけであったのが、自分が周りを見る事が出来るのである。
何と言っても身体を起こしての食事は食物が食道を通りやすく、食欲も出てきて、食事が
楽しみになってきたのが一番有り難かった。
ようやく、両手の親指と人差し指の指先を曲げ伸ばしすると、その動きが目で見て
はっきり分かる程度になってきた。
中指、薬指、小指は未だ微かに震える程度だが、きっと良くなると思い込み、ジンジンと
痺れる手を根気良く揉みつづける。
スポンジボールを握る練習、豆を掴む練習等、身体を起こせるようになったおかげで、一日中、
何か身体の一部を動かしていると、あっという間に時間が過ぎて行く。
ベッドアップが許されると同時に、連日の点滴が無くなり、毎日の辛いお勤めが無くなりホッと
する。
手足の指が少しずつ動かせるようになったことにより、将来の歩行の可能性が見えてきたとの
事だが、その次の難関が、排尿のコントロールであった。
3月15日より、尿パイプを間欠的に止める訓練、排尿後の残尿チェックが始まった。
最初は、パイプを止めると暫くして痛んだり、我慢できずにオムツに漏らしてしまったが、
心配していたよりは順調にコントロール出来る様になり、残尿も思ったより少なくて、
尿バッグを付けなくても良さそうだとのことで大喜びする。
いくら心配りの出来た看護婦さんとはいえ、毎日の下のお世話をして戴くのは、恥ずかしく
心が痛むもので有ったが、明るい希望が見えてきた!
これからの生涯は「車椅子で尿バッグ」と半分覚悟もしていたが、期待以上に良くなれそうな
予感がしてきた。
何か、どんどんと良い方向に動き始めたように思えて、本当に感謝! 感謝! 感謝!
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