鳥って、どんな生き物?

何人かで緑の中を歩いていると、野草、野鳥、昆虫と興味はどんどん広がっていきます。
そこで改めて「鳥っていったいなぁに?」を考えてみました。思い付くままにぼつぼつと・・・無謀にも人間と似ている点、違うところという、まったく学問的にはナンセンスな切り口で迫ってみましょう。

まず第一に鳥は脊椎動物(背骨がある動物)の1種です。私たち人間も同じ脊椎動物です。2本脚で歩くところも同じです。では鳥と人間はどう違う? 全ての動物の中で「羽毛」があるのは鳥だけです。だから人間には羽毛はありません。

脚はどうなっている?

   

ピントの甘い写真が並びましたが・・・なんだか、人間の脚とは感じが違いますね。背の高い鳥も、低い鳥も、とても小型の鳥も、みーんな膝が後ろに曲がっている様な気がしませんか?でも、本当は人間と同じなのです。

左の図のように、私たちが膝と感じる場所が実は、かかとなのです。足の裏に当たる部分の長さがずっと長いのでこういう形になります。
では、脚の付け根から膝までの部分はどこにあるのでしょう? 縁日などで見かけるヒヨコを思い出してください。まだ翼がとても短いので体の後ろの方にけっこうたくましい脚があるのがわかります。あるいは鶏のモモ焼きを思い浮かべてください。我々が喜んで食べるのはフトモモに付いている筋肉です。
鳥たちの背骨は我々とは違って横を向いています。だから骨盤から出ているモモの部分は羽毛に被われていて胴体との見分けが難しいのです。翼を畳んでいるとまるで分かりません。
右の図で緑色に塗ってあるのがモモの部分です。背骨が横向きになっていて、首は上に向かっている。肩や首が凝らないかどうかは・・・知りません。

ほとんどの鳥は飛べます だから体重は見た目よりずっと軽い

空を飛ぶためにはまず体を軽くしなくては無理です。小鳥を飼ったことのある方はご存知でしょうが一日中、暇さえあれば食べていますね。これがヒケツの一つです。
エネルギーはたくさん必要。でもお腹が重いと飛べない。だから食べるとすぐに消化してしまい、不用な分は速やかに糞として排出します。そして必要なエネルギーはものすごく多いのでひっきりなしに食べては出しているわけです。
このことが植物にとってはとても助けになります。鳥たちに実を食べてもらう。鳥たちは種子のまわりの果肉に相当する部分を消化します。そして不用な種子は排泄します。自分では動くことのできない植物は果肉を提供するかわりに、種子を少しでも遠くに蒔いてもらって分布を広げるわけです。

体重を減らすためのもう一つの工夫が骨の構造です。簡単に言えば骨粗鬆症みたいにスカスカしています。もちろん病気ではありません。ただし骨折しないようにちゃんと補強のための仕組みができています。ピロティの柱みたいな物と考えれば、それほど間違いは無いでしょう。

人間の手に当たる部分が翼になりました

翼と丈夫な胸筋のおかげで鳥たちは飛べるようになりました。この翼の動き方はやっぱり人間の手の動きとは違います。人間は歩くときに左右の手を交互に前後に動かします。鳥たちは両方の翼を左右同時に上下させます。左右交互だったら・・・多分、キリモミ状態になって落ちてしまうのでしょう。というよりは、水よりずっと密度の少ない空中を飛ぶためには揚力がたくさん必要で・・・云々という理由があるようです。

鳥によって飛び方が少しずつ違います。パタパタパタパタ翼を上下させ続ける鳥(まっすぐに飛んでいきます。キジバト、カワセミなど)
パタパタさせてから翼をすぅーっと体の脇に畳んで、またパタパタさせる鳥(パタパタの時に上昇して、すぅーの時に少し下がるので飛び方が波形になります。ヒヨドリ、ハクセキレイなど)
パタパタもするけれど、風を上手にとらえて、ちょうどサーフィンしているように翼を広げたままで風に乗って飛び続けられる鳥(輪を描いているときのトビの飛び方がこれです)

繁殖期だけ巣を使います

ほとんどの人間は夜になると毎日家屋の中で眠ります。鳥は普段は雨風がよけられる常緑樹の中などで眠ります(ねぐら)。巣を使うのは飛べるはずのない卵やヒナを育てる間だけです。そして猛禽類(鷹や鷲など)やカラスの仲間など大きな巣が必要な鳥たちは去年の巣を手入れして今年も使うということがありますが、大半の鳥たちは毎年新しい巣を作ります。
枝や草を使って自分で巣を作る鳥、樹に開いた穴を使う鳥(こういう鳥たちは巣箱を使ってくれます)、地面にそのままちょこっと窪みをつけて使う鳥など色々です。

益鳥・害鳥って?

この頃あまり聞かなくなった言葉ですが、ある年代以上の方には気になる言葉ではないでしょうか? よく言われていたのがツバメは益鳥、スズメは害鳥。というものでした。要するに燕は蚊や蠅などの虫を食べてくれるから。スズメはお米を食べてしまうから。というものでした。
ところがその後スズメだってお米を食べてしまうのは稲の収穫期だけで、人間にだって美味しい物だからスズメにとっては自然な生き方だ。繁殖期にはいろんな虫を食べてくれるじゃないか・・・などの議論がわきおこって最近ではこういう言い方が少なくなってきているようです。
たしかに、スズメもそうですが普段は木の実や草の実、あるいは木の芽など植物質の物を常食している鳥たちも、ヒナを育てるときは昆虫(主に幼虫ですが)など動物質のものをたくさん捕ります。そのために卵を産む時期が決まってくるそうです。鳩の仲間だけは一年中菜食主義者です。鳩のお母さんは自分の体の中で、自分の食べた物をタンパク質などがたっぷりのピジョンミルクというものに変えてヒナに与えます。だから、鳩の仲間はほとんど一年中卵を産み、ヒナを育てることができるのです。 さて、益鳥・害鳥という言葉は人間にとって都合が良いかどうかという見方から出た物だということはお分かりいただけたと思いますが、では立場を変えてみましょう。汚染物質を垂れ流しにして河川の水質を悪化させたり、諫早湾をしめきったり、鳥の巣の前で長時間カメラを据えて夢中になったりしている人たち・・・彼らは害人と呼んでいるのでしょうかね?

図は、ライフ大自然シリーズ2 鳥類 1969年より拝借しました


(2001.2.1  N.K 記)


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