ムクドリの子育て

私は秋になると、シジュウカラ用の巣箱を架けています。ところが住宅難は誰でも同じらしく入口が小さくて入れないのにムクドリが巣箱の上で大騒ぎをします。巣材を運び込み準備が整ったシジュウカラにとっては一大事! 激しく鳴いて争うのですが、いかんせん体の大きさが違います。騒ぎが聞こえるたびに私が庭に出てムクドリにどいてもらっていました。忙しくてたまらないので、近くの新築工事の現場から端材をいただいてきてムクドリ用の巣箱も大急ぎで3月末に用意しました。板の幅が足りないのでかなり無理をしましたが・・・なぁに、相手は鳥のこと、そんなことは気にしないだろう・・・これで、シジュウカラもムクドリも平和共存♪ 

・・・・・・のはずでした・・・ところが、ムクドリ用の巣箱にシジュウカラが巣材を運び込み始めたのです。一回り大きいから巣材集めも大変なのに・・・そして抱卵まで始めてしまいました。けれどやっぱり、ムクドリの方が強かった。4月13日にはシジュウカラの巣材は全て捨てられ割れた卵も捨てられていました。ムクドリの方はどこに捨てるかなど考えてもいない様子で巣箱の真下をはじめ庭のあちこちに散らかしてありました。

4月23日ムクドリの雌が小さい枯れ枝やイネ科の枯れた葉などを運び込み始めました。巣材は何でも良いのでしょうか。カラスの抜け落ちた羽まで運んできましたが、羽軸が硬いし大きいし、建て付けは悪いしで巣箱から飛び出していました。雄は何も運んでいませんがいつも連れだってやって来て雌が巣の中に入って居る間は必ず近くで待っていました。

5月5日 どんな風に巣材を詰め込んでいるのだろう? 家主特権で巣箱の中を覗いてみました。ところがもう抱卵を始めていました。慌てて元通り蓋をしました。繁殖初期に驚かせると放棄する可能性が強いと言われています。それにしても脚立を立てて近づく私に気が付かなかったのでしょうか? あまりの怖さに動けなかったのだったらどうしましょう。ドキドキ、ドキドキしました。
幸いなことに、呑気なお母さんだったのでしょう。繁殖はそのまま続きました。

抱卵中の雌も1時間に1回くらいは食事のために飛んでいきます。その時間を待って卵を見せてもらいました。ムクドリは卵を産んだあとからも時々枯れた草を運び込んでいました。
5月23日にはヒナの声がかなり大きくなり、餌運びも頻繁になりました。芋虫を一度にいくつもくわえてきます。

そして、巣立ち

6月4日 ヒナが巣の入口に脚をかけ、あたりの様子をうかがっていました。そして巣立っていきました。あまりにもなにげなく飛び出したので、シャッターが間に合いませんでした。

巣立ちが終わった巣箱にはもうムクドリ一家は戻ってきません。次の繁殖に備えて巣箱を洗うため木からはずしました。
屋根を開けたとたんでした。顔中をぞわぞわ何かが走り回る! 手で振り払っても次から次へ・・・ 巣箱の掃除を中断して大急ぎでシャワーを浴びました。とてつもない数のダニだったのです。今までにシジュウカラの巣箱は何回も掃除していますがこんな事はありませんでした。洗濯機のスイッチを入れて今度は殺虫剤片手に巣箱に戻りました。煙りモゥモゥになるほどにスプレーしてから開けてみました。
 
巣材の表面はベタッと黒く濡れたように固まっていました。多分ヒナたちの糞でしょう。そう言えばシジュウカラの時と違って親鳥がヒナの糞を運び出したのは1回しか見ていません。物の本には「親鳥が糞を持ち去る」とありますが、このダニの多さと濡れた様子からすると、どうも??? 我が家の「呑気なお母さん」の子だけのことなのでしょうか?
戸袋にムクドリが巣を作るとダニが大変と聞きますが、けっこうどこでも同じ状況なのではないだろうか・・・と思いました。
巣箱の正面を見ても、そんな気がします。ヒナが孵るまでは入口の所は汚れていません。ヒナがある程度育った頃から白い汚れが垂れ始めています。ツバメではありませんがヒナは入口から外へ糞をしているのかもしれません。目撃してないので断言はできないのですが・・・

巣箱の中に残されたもの

巣材:枯れ草(イネ科が多い) 松葉(痛くないのでしょうか?) 鳥の羽毛(カラスsp.の風切羽、ムクドリの風切羽、ヒヨドリの風切羽、種類不明の胸の羽)、キャンディの空き袋2個 

食事の痕?:産座にサクラsp.の種子20個前後(多分ヒナが食べたのでしょう)

その他:ダニとアリが多数(共に生きている。糞その他を餌として集まってきたのでしょうが、ヒナは刺されてかゆいということは無いのでしょうか?)

青く輝く美しい卵が育っていくのは考えただけでもステキなのですが、私はダニにおそれをなし、その後ムクドリ用の巣箱を架けるのはやめました。そして戸袋などに営巣されないように雨戸の開け閉めをこまめにすることにしています。

 巣箱の作り方     のこのこ このこ     野鳥のページ  (2001.4.18)