ヒナを拾わないで!


 野鳥達の繁殖シーズンが始まりました。よく見るとくちばしに巣材をくわえた鳥を見かけます。もう少しすると今度は餌にする昆虫の幼虫や小さな魚をくわえた野鳥を見ることもできます。
 さて鳥たちのヒナは私達が考えているよりもずっと小さく幼い状態で巣立ちをすることが多いようです。まだ羽に産毛のようなふわふわのものがのこっていたり、くちばしの両端が黄色かったり・・・
 やっとほんの少しの距離を飛ぶことが出来ますが、目的の(?)枝にうまく捕まれずにばたばたしたり落っこちたり。どうやら鳥にとっては飛ぶことよりも止まる方が難しいようです。
 危なっかしくても一応飛べるのですがまだまだ餌を自分で捕ることは出来ません。翼をばたばたさせて大きな口を開けて親が持ってきてくれる餌をねだっています。そのうち足許にある小さなものをつついてみたりして覚えていくようです。

カワラヒナのヒナ

屋根の上まで飛んでくることが出来ましたがまだ親鳥が餌を持ってきてくれるのを待っています。
ヒヨドリのヒナ

飛んできて枝をつかみそこねて落ちてきました。やっとの事で細い枝に掴まりましたが細すぎて枝が大揺れしています。
コシアカツバメのヒナ

電線に止まって大きな口を開けて親鳥に餌をねだっています。左側が親鳥です。

 おぼつかないヒナ達が地面に落ちたりするのを見ると私達人間は、びっくりしたり心配になったりしてしまいます。飛べなくて困っているのではないだろうか? 怪我をしたのではないだろうか? ネコに食べられてしまうだろう? 車にひかれてしまうのでは・・・?
 そうしてついつい拾ってしまいます。預かってくれる施設に連れていったり、自分で餌をやって鳥かごで育てたりしてしまいがちなのです。

でも、その前に一歩立ち止まって周りを見て下さい!

 近くで親の声が聞こえませんか? もしかしたら、鳥のヒナにとってそういう頼りないことは当たり前のことかもしれません。
 親鳥はヒナの近くに来たいのに彼らよりはるかに大きい私達人間が怖くて近づけないでいるのかもしれません。

 そういう時にはネコや車の心配が無ければそのまま、心配があるのならば安全な場所にヒナを移して、自分は物陰に隠れてそっと見守ってやって下さい。それでもキット親鳥は気が付いているでしょうから安心させるためにしゃがみ込んで小さくなってみましょう。
 しばらく待っていると親がやってきてヒナを誘導して安全な場所へ連れていくことが殆どです。

 

これは我が家の巣箱で育ったシジュウカラのヒナです。


巣立った次の日地面に落ちていました。20分たっても飛びません。
そこで植え込みの上に乗せました。大急ぎで私は家の中へ。1分も立たないうちに親鳥がやってきて一飛びずつ高い枝へと導いていきました。

 人間が育てても充分に飛べるようになって一人立ちできるまで育てることは殆ど出来ません。
それぞれの鳥にとって何が食べられるのかは違いますし、身を守るための智恵は親からしか学べません。だって、私達は空を飛ぶこともできないし、大きな鳥に狙われる体験も無いからです。

 だからこそ、「善意による誘拐事件」を引き起こしてしまわないように、ヒナを見つけても安易に拾わないようにお願いします。

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